未来のミライは面白くない?予告詐欺?感想は酷評の嵐なのは何故か?

2018年7月29日

毎日のように今年の夏は異常な暑さとニュースが流れ、最高気温が更新される中、いよいよ子供たちは夏休み。

そして夏休みと言えば話題の映画が始まる時期ということで、近夏最大の注目作となるであろう「未来のミライ」を見てきました。

さて、世間的には賛否両論どころかどちらかというと酷評の嵐に近いざわつきを生み出している本作。

実際のところどうなのか?良いと言っているのはステマなのか?と様々な憶測を呼んでいる中で、見てきた筆者としての感想をお伝えしたいと思います。

その前に未来のミライがどんな話だったのか少し復習。

未来のミライのあらすじと見どころ

とある都会の片隅の、小さな庭に小さな木の生えた小さな家。

ある日、甘えん坊の“くんちゃん”に、生まれたばかりの妹がやってきます。
両親の愛情を奪われ、初めての経験の連続に戸惑うばかり。
そんな時、“くんちゃん”はその庭で自分のことを「お兄ちゃん」と呼ぶ、
不思議な少女“ミライちゃん”と出会います。

“ミライちゃん”に導かれ、時をこえた家族の物語へと旅立つ“くんちゃん”。
それは、小さなお兄ちゃんの大きな冒険の始まりでした。

待ち受ける見たこともない世界。
むかし王子だったと名乗る謎の男。
幼い頃の母との不思議な体験。
父の面影を宿す青年との出会い。

そして、初めて知る「家族の愛」の形。

さまざまな冒険を経て、ささやかな成長を遂げていく“くんちゃん”。
果たして、“くんちゃん”が最後にたどり着いた場所とは?
“ミライちゃん”がやってきた本当の理由とは―

それは過去から未来へつながる、家族と命の物語。

上白石萌歌さんや黒木華さん、星野源さん、福山雅治さんといった俳優陣が声優として参加していることでも話題となりましたが、「時をかける少女」「サマーウォーズ」「バケモノの子」といった作品を世に送り出してきた細田守監督の作品というだけあって、期待度も高い作品として話題です。

特にサマーウォーズのときに表現されたOZの世界は現在のAIや仮想現実といった世界と繋がるものがあり、熱狂的なファンが生まれたことから今回の作品にも注目が集まっています。

ここから先はネタバレを若干含むので、まだ見ていなくてネタバレが嫌な人はここでそっと閉じてくださいね。

面白くない?予告から期待すると期待外れな未来のミライ

さて、もうすでに見に行った人が多く、SNS上でも賛否両論が繰り広げられていることからお察しかと思いますが、正直酷評を浴びても仕方のない出来だということは間違いありません。

実際に見に行った感想としては、「一般受けはしないであろう微妙な作品」といったところでした。

さて、これだけ酷評の嵐となった評判の悪さは何が理由だったのか?

まず第一に予告編から期待した内容と実際の内容にかなり乖離しているという事が挙げられます。

未来のミライは春ごろからCMが流れていましたが、そのCMから受けた物語のイメージは「ミライちゃんという妹が生まれたばかりの男の子くんちゃんが、大きくなった未来のミライちゃんと出会い、不思議な冒険を通して成長していく一夏の物語」という人が大半だったと思います。

CMの中では不思議な空間や幻想的な描き方をしていた事もあって、クレヨンしんちゃんやドラえもんのような冒険を繰り広げる物語かと思い期待している方も多いかと思いますし、未来のミライちゃんが現代に現れて不思議な事が起こり、最後は未来が違う形になるような物語を想像した人もいたはずです。

かくいう私も妹につきっきりの両親を見て自分に構ってくれないと嫉妬するくんちゃんが一人で冒険をして成長し、帰ってくる物語なのかと思い期待して見に行ったのですが、実際にはそんなことはなく、日常の中でちょっとした現実離れをした映像が流れたかと思えば、ちょっとした成長を繰り返すオムニバスのような物語でした。

しかもそのオムニバスが割と唐突かつぶつ切りで、場面場面があまり繋がっていかないので感情移入がしにくいという悪循環を生んでしまいました。

Twtter上でも「冒険かと思ったら細田家のホームビデオを見ているようだった」という感想があったように、まさしくホームビデオのような小さな世界でも冒険の繰り返しだったので、日常を日常としてうつしすぎてきて面白みにかけるというのが率直な感想です。

伏線が全くと言っていいほど回収されない事への不満

次に言えるのがせっかくのおいしい伏線をほとんど置き去りにして完結させてしまったことではないかと考えます。

例えば庭で謎の男がいきなり現れたり、未来のミライちゃんがいつの間にかそばにいたり、犬のしっぽを抜き取って自分につけたら何故かくんちゃんが犬になって部屋を駆けまわったりと意味深なシーンはたくさんありました。

しかし、その全てにおいて「なぜ現れたのか?」「なぜ犬になったのか?」「なぜ未来のミライちゃんが突然現れたのか?」といった部分の理由が明記されず、ほぼ置き去りで想像にお任せ!!です。

映画の主題がくんちゃんの成長にあるということは明白ですが、ここらの謎を置き去りにし過ぎていて謎が残った後のモヤっと感すら残らないという伏線の意味が全くもって活かされていない残念な結果を生んでいます。

これがエヴァンゲリオンだったら残った謎を信者が勝手に想像し、「あれはこういう意味だった」とか「あの時のセリフがここにかかる」だとか議論を生むのですが、そういった議論すら生んでいないことを考えると伏線を仕掛けた意味が全くありません。

よって何か謎を残すといった演出すら失敗しているというのが未来のミライを面白くなくしている理由の一つでしょう。

俳優陣を声優に起用した事が裏目

今回は良くも悪くも事前に豪華俳優陣が声優として起用された事が大きなニュースになったことでした。

主人公のくんちゃんの声優は上白石萌歌が大抜擢され、「君の名は」の上白石萌音の妹ということで大きな話題をさらいましたし、黒木華、星野源や宮崎美子といった俳優・女優が脇を固めるということに加え、福山雅治さんも参画するという事からYahooニュースでも大きくピックアップされていました。

しかし、ふたを開けてみれば主人公のくんちゃんはとても4歳児の声ではなく、普通の女子中学生ぐらいの声。

お父さんは何となく棒読みで不自然な部分があり、中心人物の声に違和感がありまくりの為、全体的に浮きまくっているのです。

唯一いいことと言えば福山雅治さんが演じた昔のじいじ!!

俳優声優陣の中で一番マッチし、よかったと思いますが、それ以外がちょっと違和感を出し過ぎているため、やっぱり声優が本職の人を入れておくべき!!という事が教訓となった映画だったと思います。

全体的に教訓ばかりでちょっと説教くさい未来のミライ

未来のミライは基本軸としてくんちゃんの成長というのがあるのですが、とにかく序盤のくんちゃんは赤ちゃん返りをしていてウザイ!!

そして母親が完璧、父親は現代人らしく慣れないながらも家事をやるという姿が描かれています。

この構図としては現代の家族の在り方を描いているのかもしれませんが、家事や育児に苦戦する父親と外で働きながらも家の事をやる母親が子供を怒ってばかりしてしまうという姿は、まるで一億総活躍社会とうたった日本の共働き家庭を彷彿させる家庭です。

父親が独立したばかりの建築家というのもサラリーマンでない状態としたところがまさに現代らしいと言えるでしょう。

しかし、この家族構成と怒ってばかりの母親、あたふたする父親という家族像があまりにも説教くさい構図に見えてしまい、なんだかな~といった具合なのだ。

こういった状況に共感できるのは子育てをした母親ぐらいであり、多分父親は共感できない。

そして夏休みだから親子連れでの客層を狙っているとは思うのだが、子供からしたら母親に怒られる姿ばかりがよぎってしまうのではないか?と不安しか残らない。

そう思うと見ていて苦痛で退屈な時間が序盤を占めてしまいます。特に子供帰りしたくんちゃんが未来ちゃんを叩くシーンはあるあるなのだがイライラさせられる人も多かったでしょう。それでも初めに未来ちゃんを受け入れる事ができないくんちゃんというのは描くべき描写なので仕方がないのですが。。。

そしてその後、確かに過去を行き来し、成長を見せるくんちゃんの姿は「いいね!!子供っていつのまにか成長するよね」とはなるのだが、そこまで。

本当に他人の家のホームビデオを見ている感覚というのが正しい表現と言わざるを得ない。

もっと壮大な物語と感動を期待した人からは物足りないだろう。

未来のミライはこんな人におすすめ


ここまで酷評を続けてきたが、実際見てきた結果、未来のミライを見に行くのにオススメな人というのもわかったので最後にオススメしておこうと思う。

ズバリ、以下の人たちにはオススメの映画だ。

・二児の母、祖母
・電車好きな人
・インテリア好きな人、建築家

上記の人に属するなら映画はとても楽しめると思う。

特に電車に関してはくんちゃんがプラレールで遊ぶシーンが何度もあるし描写も細かく、川崎重工監修の未来の新幹線まで出てくるので、見ているだけで楽しいだろう。

またインテリア好きの人にも同じくで、父親が独立したばかりの建築家ということもあって家の家具の描写や背景の描写が細かい。

映像で見る描写の細かさは大きな感動を生むだろう。

とにもかくにも未来のミライという映画を壮大な物語として期待していくと裏切られるので、身近な家族や幸せを描いた映画として鑑賞することをオススメします!!