
JR西日本が5月11日に新快速列車が定刻より早く出発したことにより数名が乗れなかったことを謝罪。今後の再発防止に努めるという。この報道に対して謝罪はやりすぎでは?という声も出てきているが、実際どのような話だったのだろうか?
JR西日本は11日、琵琶湖線の能登川駅(滋賀県東近江市)で、同日午前7時12分発の西明石行き新快速電車(12両)が25秒早く発車したと発表した。
数人が乗れなかったという。JR西によると、車掌は、発車の定刻を同11分と勘違いしてドアを閉めた後、1分早いと気づいたが、ホームに客の姿が見えないのを確認して出発したと説明したという。しかし実際はホームに客数人が取り残され、「定刻より早く出発した」と男性客1人から連絡を受けた駅員が謝罪したという。JR西は「お客様に大変迷惑をかけた。基本動作を徹底し、再発防止に努める」としている。 出展元:ライブドアニュース http://news.livedoor.com/article/detail/14704018/
記事を見ると25秒早いだけの出発なのだが、この25秒のために謝るというのはやりすぎではないか?とも。
実際には乗れなかった人が数名いたことから、少し早すぎるのでは?なんてことを感じたお客様がいたのは事実。しかし、25秒と言うと本当に数秒の話で、下手したら個人の時計と駅の時計がずれているといったレベルなのだ。
こういった話に対して真摯に謝罪し、再発防止に努める姿勢はいかにも日本企業らしく素晴らしい態度だと言えるが、例えばこれが7時12分50秒出発だったものが7時12分25秒に出発したとしたら果たして気づくものか?といったところだ。
普段電車を使っていて通いなれている人なら体感的に感じる為、気づく可能性は皆無ではないが、大方の人が気にしなかったに違いない。今回は7時12分発だったものが7時11分発となってしまったために気づいた人も多かったものとも思える。
目次
25秒早く出発?1分ではないのか?そもそも気づいたなら空けるべきとの声も
記事内には「車掌が発射の定刻を同11分と勘違いしてドアを閉めた後、1分早いと気づいたが、ホームに客の姿が見えないのを確認して出発した」と説明したとあるが、それならば1分早いのでは?との声もある。
しかし記事では実際には25秒だったとの話なので、見た目上は1分だが実際には25秒だったという話なのだろう。
また新幹線に代表されるように日本の電車ダイヤは15秒区切りでのダイヤとなっている。例えばこの琵琶湖線能登川駅についても7時11分着、7時12分発というダイヤとなっているが、実際には7時11分30秒着、7時12分30秒発だったかもしれない。
実態は細かな設計の元JR各社が管理しているとのことなので明確な時間は定かではないが、25秒程度早く発射したということでそこまでの謝罪が求めれれるのか?と言われると疑問が残る。
そもそも発車が早いであろうと思ったのならその場でドアを再度開けて待っていればいい話では?という声もあるので対応としては少しお粗末なことをしてしまい、駅に人がいないからいいだろうと思ったらやってしまったというレベルの話なのだろうが、駅員にその事実を話した人もよく気づいたものである。
再発防止に努めるとあるが、この程度の時間のずれとなると自動運転を取り入れるぐらいしか再発防止に努めることはできないのではないだろうか?
過去には『つくばエクスプレス』で同様の謝罪
昨年の11月14日にもつくばエクスプレスから同様の件で謝罪があったという事件があった。
この時は今回よりも短い20秒!!
その時はお客様からのクレームはなく、更に定刻9時44分という枠の中で20秒早かったということだとういう。また2016年にも北千住駅で同様に30秒早く出発したという事実があり、この時にも謝罪をしている。
しかし、こういった謝罪に対して海外メディアは「遅れや運休でもないのに……」と驚きを隠せない反応を見せていた。
こういった事実からも日本という国がいかに時間に厳しい国であり、電車の遅延どころか早く出てしまうという事実に対しても厳しい国であることに驚きを隠せないということが垣間見える。
日本の時間に対する意識は素晴らしい。しかし、これが残業となると?
日本の時間間隔や時間に対する遅れといったものに対しての厳しさは世界でも群を抜いているものと思う。
これは世界の反応を見ても間違いないだろうし、実際に時間の遅れという事に対して「遅刻」という言葉があったり、遅刻すると叱責を受けることもあるのでまさしくその通りだろう。
しかしこれが社内会議の時間や残業という概念となると全く別の感覚になるのが日本の不思議なところだったりもする。
例えば現在働き方改革や残業規制が厳しくなっているが、実際ある程度の残業はないと困るという意識の人たちや上司がいるのも間違いないし、フレックス制を導入しているにも関わらず朝9時に行かないと怒られるなんて会社も存在している。
また社内会議なども始まる時間に遅刻しても許される文化が社内風土として育ってしまっていたり、議論を時間内に終わらせようという意識がない場合も存在している。
とにかく長く働くことを美徳化してきた日本においては、電車が早く出発することや遅延は許せないが、業務に関する時間間隔は結構ぐだぐだだったりするのだ。
きっちりと定められた時間というものに対して電車をはじめとした交通機関だけでなく、働き方についても時間間隔を身に着け、働き方改革に努めないと日本はいつまでたっても生産性が低いままだろう。
まとめ
数秒の交通機関の時間のずれに対しても厳しい日本という国。
しかし自分たちの働く時間には無頓着な国。
そういった矛盾を抱えながらも交通機関の遅れに対して謝罪があるのに自分たちの業務時間が大幅にぶれることに謝罪がないというのはいかがなものだろうか?
時間と言うものを迫るのであれば、自分たちの時間も見直していき、今後の働き方改革に努めていくのが望ましいだろう。