
衝撃のベルギー戦から一夜、ロシアワールドカップのベストマッチと世界から賞賛される中、今回のワールドカップを機に進退を決める選手が出てきている。
現時点で代表引退を表明しているのは日本代表キャプテンを8年間務めた長谷部誠。ビッグマウスと確かな実力で代表の意識を底上げした本田圭佑、両サイドバックをこなせる酒井高徳。
この3人は既に次のワールドカップは目指さず代表引退を表明している。
日本代表のキャプテンとしてチームを安定的に支えてきた長谷部の代表引退はとても惜しまれるし、まだまだやれるのでは?とも思っていたが、34歳という年齢と実績を考えると次世代に引き継ぐ時期だったのだろう。
同じく本田の引退は引き際としては潔く、今大会の立ち位置からも妥当だろうが、次のワールドカップも目指して周囲を鼓舞していく役割を担うのでは?と思っていたが、やはり代表からは引き際と考えたのだと思う。
酒井高徳については、長谷部や本田と比較するとロンドン五輪世代のため一つ下の世代となるのだが、若い選手へチャンスを譲ることが日本のためと考えた結果とのこと。これにはネット上でも残念だと引退を惜しまれる声も聞こえてくる。
目次
長谷部の後を引き継ぐのは吉田麻也か?強烈なキャプテンシーとは違った引っ張り方
長谷部が引退表明したことで大きなショックを受けていたのが同じく日本を守備で支えている吉田麻也。
「長谷部のようにはなれない」との言葉も聞かれるとおり、日本代表の中で長谷部が強烈なキャプテンシーを発揮していたことがわかる一言だと思う。
そして、そんな言葉を発した吉田麻也こそ長谷部の後釜として次期キャプテンとして期待される人物でもある。
今大会でも守備に吉田麻也がいなければ得点を許していた場面がいくつもあっただろうというぐらい、献身的な守備をしていた。
ディフェンスラインは吉田麻也、長谷部、晶子、長友が走り回ってくれたからこそ守りきれた部分が大きいし、やはりプレミアリーグで多くの強者たちの攻撃を防いできた吉田麻也の経験が生きていた試合が多かった。
そんな守備の要ともいえる吉田麻也が次期キャプテン候補というのは最適だと思うし、長谷部とはまた違ったキャプテンシーを発揮してもらいたいところ。
麻也ブログでもイケメンを一緒に写す手法で人気を博していたが、いろんな意味で長谷部とはキャラも違うので、今までにない日本代表キャプテンとして活躍してほしいところだ。
本田なき後釜は誰が?候補は柴崎か?世界には若い才能も
良くも悪くも多くの注目を集めた本田圭佑。最近はケイスケホンダと呼ばれることも多くなった日本のビッグマウスは名実共に多くの夢を見せ、様々な影響を代表選手のみならず日本国民に見せていた。
ワールドカップの優勝を目指す!
と公言してみたり、ミランの10番を背負ったり、個の力を主張したり、監督に対して意見したり、良くも悪くも多くのメディアの注目を集め、世界と戦ってきた本田圭佑選手。
こういった選手というのは誰かに任命されるキャプテンとは違い、生まれ持ったものや志から生まれてくるカリスマ性を持った選手なので、一長一短に出てくるものではない。
今回のワールドカップで代表引退となると、今後本田のように上を目指し公言して鼓舞する役目を誰が担っていくのかは注目したいところ。
今回、日本はベスト8を目前で逃したが、やはりベルギーとの差は得点以上のものがあった。
そしてそれ以上にベルギーが目指しているのはワールドカップ優勝だろうし、その一方でベスト8を目指す日本というのは目指す位置から既に負けている。
どんなスポーツでも、どんなレベルでも同じことが言えるだろうが、トーナメント戦におけるベスト16とベスト8では大きな差があることが多い。
これは目指しているレベルの違いが意識下で大きく働くからであって、ベスト8以上にいけるチームというのはそのほとんどが優勝を目指していたりベスト4以上を目指していることが多い。
世界のチームがワールドカップ優勝を目指している中、日本はベスト8を目指すという。
そんな日本に対してワールドカップ優勝を公言し続けた本田圭佑という選手は理にかなってもいるし、決してビッグマウスではなく、そこまで目指さないとベスト8以上には入らないとわかっていたからだと思う。
だからこそ本田選手がワールドカップ優勝を目指すと公言しつづけ、周囲にもその意識を浸透させてきた意味合いは強く、その精神は共にプレーした選手たちにも受け継がれてきているのだと思う。
だからこそ、本田圭佑選手が代表引退を表明することで無意識に周囲を巻き込んで浸透させていく強烈な選手がいなくなるのは気がかりである。
私個人としてはその後釜として受け継いでいくのは柴崎岳選手ではないか?と期待しているが、本田選手が引退表明をした今、柴崎岳選手の発言がどのように変わっていくか楽しみでもある。
何よりプロ2年目に発した「今年のヤングプレーヤー賞、受賞にするに値する選手はゼロ人でした。」という言葉は今でもメディアで流されるほど有名な言葉だし、常に世界のトップを目標としてサッカーを続けていることがよくわかる発言だった。
今回の活躍を機にチャンピオンズリーグに出て経験を積みたいと語っていた柴崎選手。欧州からも熱い視線で見られている柴崎選手には強豪クラブからもオファーが届くだろうし、どのようなチームを選んでプレーしていくのか注目だ。
また柴崎岳選手以外にも10年前と比べたら多くの若手選手が世界で戦うようになってきた。
欧州の強豪クラブの下位組織に所属する選手も増えたし、ヨーロッパ最高峰のリーグに出場する選手も徐々に増えつつある中、今回の世代交代は次の時代の始まりとも言えるだろう。
引退表明した選手以外にも注目が集まる今後。一つの時代の終わりと始まり
上記の3選手以外にも、川島永嗣、香川、長友、岡崎といった代表常連だったベテラン勢は代表として今後も続けていくのか答えを出していない。
唯一香川は四年後について考えたいとしながらも代表引退はないと思うと明言しているが、川島永嗣は代表最年長だし岡崎も本田と同期、長友は続けそうな雰囲気だが、それでも四年後は最年長となるだろう。
今後、それぞれが四年後に向けて答えを出していくだろうが、世界に目を向けたときには多くの若手が控えているかと思うと、今回のワールドカップを機会に一気に若手選手の台頭がはじまっても面白い。
まずは夢を見させてくれた日本代表に感謝。そして今後の各選手の去就に注目したい。