香典の書き方まとめ!表書きの選び方や中袋の書き方、マナーを解説!御霊前、御仏前、御香料の何を選ぶ?

冠婚葬祭というのはそれぞれでマナーが決められており、昔からの伝統的な風習が残っているもの。

しかし、結婚や出産というものに対しての情報は多いものの、葬式をはじめとした葬祭のマナーというのは知らない方も多いのではないでしょうか?

かく言う筆者もつい最近まで香典の渡し方で迷っていた1人。

香典の表書きや中袋はどうしたらいいのかわかっていませんでした。

ネットを探してまも結婚式の御祝儀や出産祝いの書き方はたくさん出てくるのに、香典を渡す際の書き方やマナー、表書きの選び方などを調べると意外に情報が出てこないんですよね。

そんなわけでネットの情報だけでなく、本を見たり、詳しい人に聞いてみたりして情報をかき集めどうにか渡すことができました。

筆者みたいに突然困ることがないように、香典を渡す際の参考にできればと思い本ページでは香典を渡す際の書き方やマナーをまとめていこうと思います。

御霊前や御香典、御仏前、包みの色や水引の色など不祝儀袋の正しい選び方

結婚式で渡す祝儀袋と違い、通夜や葬式に持参する不祝儀袋には御霊前や御香典といった様々な表書きの種類がありますよね。

それ以外にも無地の袋もあれば蓮を描いた包み袋もあったり、水引の色も白黒や銀など様々な種類があるかと思います。

通夜や葬儀というのは突然やってくるので、家に在庫がなく、慌てて調達しようと思うと上記の様に多くの不祝儀袋。

初めて香典を持参するときは御香典なのかご霊前なのか?だけでも迷うのに、袋の種類まで気を付けなければならないと大変です。

はっきり言って選べないことも多いかと思います。しかし、上記の種類は実は宗教や宗派によって選ぶものが決まってくるということがわかっていれば選ぶのに迷いません。

以下のように各宗派に合わせて選ぶことで、失礼のない不祝儀袋を選ぶことができます

宗教 表書き 水引の色 包みの色
仏式 御霊前(ごれいぜん)
御香典(ごこうでん)
御香奠(ごこうでん)
御香料(ごこうりょう)

四十九日法要以降
御仏前(ごぶつぜん)

黒白
双銀
白無地もしくは
蓮の絵柄の包み
神式 御霊前(ごれいぜん)
玉串料(おんたまぐしりょう)
御榊料(おんさかきりょう)
御神饌料(ごしんせんりょう)
黒白
双銀
双白
白無地の包み
キリスト教式 お花料
献花料

カトリックのみ
御ミサ料
御霊前

プロテスタントのみ
忌慰料(きいりょう)

なし 白無地の包みもしくは白封筒

迷ったら「御霊前」を選択する事がおすすめ!


表書きに迷ってしまったら「御霊前」を選択しましょう。

御霊前という表書きはどんな宗教でも共通で利用することができる言葉になるので、宗派関係なく失礼にもあたりません。
唯一キリスト教式におけるプロテスタントの場合のみ「御霊前」はNGとされていますが、日本においては一番万能な表書きと言えます。

名前は水引の下の中央にフルネームで記載するというルールも共通ですので一番使いやすい不祝儀袋と言えます。

また「御仏前」と記載されている不祝儀袋を利用したくなる人も多いと思いますが、実際には四十九日法要以降に渡す場合に利用するものになるので、通夜や葬儀では利用しないようにしましょう。

蓮の絵柄が許されるのは仏式のみ!綺麗だからと言って安易に選ばないように!無地は万能の包み袋

不祝儀袋にはきれいな蓮の花が絵柄として装飾されている包み袋がありますが、こちらの蓮の花は仏式のときのみ用いてよい不祝儀袋です。

これは蓮の花が仏教と大きく関係している事に由来し、極楽浄土に咲いている花とされているからです。

よって仏式の通夜、葬儀には用いてもよいですが、他の宗教の場合は用いないように注意しましょう。

普段からストックしておくなら白無地の包み袋のものにしておけば、どんな宗教の場合にも対応できるのでおすすめになります。

水引は黒白もしくは双銀を選ぶのが無難。キリスト教式の場合は水引なしなので要注意!

水引については黒白のものもしくは双銀を選ぶとどの宗教でも対応することができます。

ただし、唯一気を付けたいのはキリスト教式の場合!

キリスト教式は水引がない「お花料」と書かれた特別な祝儀袋が必要となります。

特にプロテスタントの場合は「御霊前」も利用しないのが通例なので、先方がキリスト教式の可能性がある場合、可能な限り確認するか「お花料」と書かれた表書きの不祝儀袋を持っていくようにしましょう。

表書きの書き方は水引の下にフルネームで!連名の場合も同一!

表書きには結婚式で渡す祝儀袋と同様に水引の下の中央にフルネームで名前を記載します。

連名の場合も同一で、中央に目上の方の名前を書き、その左に召したの人の氏名を順番に記載するようにしましょう。

4名を超える大人数になる場合は水引の下には「会社名有志」や「代表者名 外一同」と記載し、中に全員の名前を書いた便箋を同封します。

この便箋の場合にも目上の人を右側として左側に順に目下の人を記載するのが通例です。

中袋の記載は祝儀袋と同様に金額、氏名、住所を記載

不祝儀袋にも祝儀袋と同様に中袋があります。

中袋には祝儀袋と同様に表面中央には金額、裏面には住所と氏名を記載するようにしましょう。

表面中央に記載する金額は金〇〇と〇〇の部分に漢数字で記載するのが通例とされており、大字を用いる事が多いですが、普通の漢数字でも良いとされています。

漢数字
大字

稀に中袋がない不祝儀袋というのが存在しますが、その場合は裏面に金額、氏名、住所を記載することが通例とされています。

香典として渡す金額の目安はどれぐらいなの?偶数金額はNG?


よく結婚式では友人なら3万円、兄妹なら5~10万円といった目安が世間一般に広まっていますが、通夜や葬儀の場合はそこまで一般的に広まってはいない事が多いように思えます。

香典の場合も祝儀の場合と同様ですが、喪主となる送り先ごとに以下のような相場となっています。

祖父母:10,000円
親:100,000円
兄弟姉妹:50,000円
おじ・おば:10,000円
上記以外の親戚:5,000円
職場関係:5,000円
友人・その家族:5,000円
隣人・近所:3,000円~5,000円

上記を見ればわかるように親族以外の場合はほとんどが5,000円が相場となっており、祝儀より安い金額となっています。これは後述しますが香典を送る由来に意味するところがありますので、迷ったら5,000円を用意するとよいです。

ただ、入れる金額として偶数となる金額は基本的にNGとされています。これはご祝儀でも同様ですよね。

香典で偶数がNGとされるのは、故人とこの世との繋がりが切れてしまうと考えられているため。

偶数が割り切れるということから葬儀でも上記の様によくない数字とされているのです。

香典に含む金額の参考資料として一般社団法人全日本冠婚葬祭互助協会が平成28年に調査した結果を以下に掲載します。

お持ちになる金額の参考にしてみてはいかがでしょうか?

単位:円
20代 30代 40代 50代 60代以上
最多回答 平均額 最多回答 平均額 最多回答 平均額 最多回答 平均額 最多回答 平均額
祖父母 10,000 9,386 10,000 14,201 10,000 17,018 10,000 37,646 10,000 21,667
*** *** 50,000 32,164 50,000 33,715 100,000 52,171 *** ***
兄弟姉妹 10,000 13,833 30,000 21,400 30,000 24,737 50,000 51,920 50,000 42,568
おじ・おば 10,000 7,214 10,000 11,552 10,000 12,291 10,000 21,475 10,000 23,442
上記以外の親戚 5,000 6,617 5,000 7,462 10,000 8,926 10,000 13,298 10,000 17,285
職場関係 5,000 4,177 5,000 5,541 5,000 4,984 5,000 5,648 5,000 5,525
勤務先社員の家族 3,000 3,661 5,000 4,652 5,000 5,320 5,000 5,326 5,000 5,701
取引先関係 5,000 7,571 5,000 5,615 5,000 6,933 *** *** 5,000 6,865
友人・その家族 5,000 5,130 5,000 5,162 5,000 5,533 5,000 6,000 5,000 6,353
隣人・近所 3,000 5,118 5,000 4,443 5,000 4,139 5,000 4,849 5,000 5,047
その他 5,000 4,135 5,000 5,250 5,000 4,282 5,000 5,844 5,000 8,677

事情により参列できない場合は香典の郵送も可能

通夜、葬儀を開催する場所が遠方だったり、出張や旅行中に訃報を受け取りどうしても参加できない場合には香典を郵送することも選択肢の一つです。

後日渡してもよいのですが、やはり香典と言うのは葬儀や身辺整理にかかる費用として入用のものになるので、可能な限り早く郵送する事が望ましいです。

郵送する場合はできるだけ早く現金書留を利用し、お悔やみの言葉と参列できないお詫びを記載するようにしましょう。

この際郵送に利用する不祝儀袋は水引が印刷されたものでも問題ありません。

香典を渡す意味とは?香典を渡すときのマナーで気を付けることは?

香典とはもともと死者の霊に手向ける香の料(代金)を包むものという意味です。

香典を渡す文化ができる前、日本では葬儀のための米や麦といったものは弔問客がすべて持参していた時期がありましたが、現代においては葬儀を執り行う喪家が葬儀関連の物資を全て準備する形式に変わりました。

そのため、喪家の準備した資材にたいする料として現金を包んで持参し、霊前に供える文化となったのが香典の始まりとされています。

香典は以下のマナーを守って持参します

・香典は通夜もしくは葬儀・告別式に持参し受付で渡す(通夜に持参した場合は告別式には持参しない)
・不祝儀袋は相手の宗旨にあったものとする
・香典を持参する際はふくさや小さな風呂敷に包むものとし、バッグやポケットにそのまま入れない

まとめ


なかなかまとまっていなかった香典について調べた結果をまとめてみましたがいかがだったでしょうか?

結婚式はめでたい話で参列までに事前に準備する期間がある場合がほとんどですが、葬式というものは突然やってくるものです。

訃報があってから準備するにしても準備できるものとできないものもあると思いますが、香典についてはコンビニで不祝儀袋を購入することもできる時代なので本ページを参考に用意してみてくださいね。

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